日本マーク・トウェイン協会第24回全国大会シンポジウム(「マーク・トウェインをめぐる『二次創作的』想像力」)はZoomを用いてWeb上で開催いたします。




【シンポジウム】 マーク・トウェインをめぐる「二次創作的」想像力
司会・講師:中垣 恒太郎(専修大学)
講師:細野 香里 (慶應義塾大学非常勤講師)
講師:里内 克⺒ (大阪大学)
講師:柴田 元幸 (東京大学名誉教授)

 マーク・トウェインは作家としての出発地点から文学ジャンルに対し自覚的な姿勢を示しながら独自の作品世界を切り拓いた。先行する旅行記に対しパロディの視点を打ち出すことで話題となった出世作、The Innocents Abroad (1869)、「バーレスク風自叙伝」と銘打った、Mark Twain’s (Burlesque) Autobiography (1871)、少年を主人公とする冒険物語にパロディの要素を織り交ぜた、The Adventures of Tom Sawyer (1876)、アーサー王物語の 「翻案」であり SF 物語の先駆的作品ともなった、A Connecticut Yankee in King Arthur’s Court (1889)、探偵小説ものの流行をとりいれた、Tom Sawyer, Detective (1896)、疑似歴史ロマンスとしての Personal Recollection of Joan of Arc (1896)など、その足跡から同時代 の文学ジャンルのあり方、トウェインのジャンル解釈などを探ることができる。トウェインが同時代のアメリカ大衆文化をどのように咀嚼し独自のスタイルを創り上げていったのか、さらに、「国⺠作家マーク・トウェイン」のイメージが 20 世紀以降、どのように「アメリカ的」物語、アメリカ大衆文化の原風景として翻案・継承されていったのであろうか。
 本シンポジウムでは、大衆文化の継承・発展過程を広義の「二次創作的想像力」として捉え、アメリカ大衆文化におけるトウェインの貢献について再検討する。まず司会が導入として「トウェインをめぐる大衆文化受容」を概観し、各論として、「アンテベラム期の大衆文化受容」、「トウェイン自身によるジャンル(二次創作的)作品」、「『ハックの末裔たち』 の系譜」の観点からそれぞれの報告を展開する。その後、参加者を交えた質疑に繋げていく。ジャンル文学論、創作論、モチーフ、パロディ観、大衆文化論、近代とナショナリズムなどをめぐるさまざまな論点が浮かび上がってくることになるだろう。
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シンポジウムの詳細はこちらからPDF版をご覧いただけます。

シンポジウム開始時間と参加のためのURLは会員の皆様にまた後日お知らせいたします。続報をお待ち下さいますようお願いいたします。